恋愛心工事中。
…違うんだ。
今のままじゃ、
いけないんだ。
あたしは全力疾走で廊下を駆け抜けた。
夏でも涼しい廊下を走ると、爽やかな風が頬を撫でた。
子供だった。
周りも見えず、
他人任せだった。
だけど違ったんだ。
あたしは
このままじゃダメ。
琉依への感謝。
京司への感謝。
有美への感謝。
今まで関わった人
居なかったら
今のあたしは居ない。
そして今みたいに、
変わらなきゃと
思う事も、出来なかったかもしれない。
ただ変わらないのは
壱を好きなこと。
今更伝えたって、呆れられるかもしれない。
あたしなんか嫌いって言うかもしれない。
それが怖かった。
だから逃げてた。
壱が先に帰っちゃったから話せない、だなんて、ただの言い訳にすぎない。
会って話そうと思えば、方法はいくらだってあったはず。
でも怖かった。
壱があたしを
"嫌い"と言って
冷たい目で
見てくることが。
逃げていた。
現実から。
目を背けてたんだ。