恋愛心工事中。
『音緒とはもう…
切れたんだ』
京司の乾いた声に
体中が震えた
「………」
言葉を
発する事が出来ない
ただ、
音緒さんと、幸せそうに笑う京司を
頭に思い浮かべる事しか出来なかった。
『音緒は…』
ゴクンと唾を飲み込むと喉がカラカラになっていた。
『二股かけてたんだよ』
………二股?
音緒さんが……
京司と
もう1人別の誰かと
関係していた?
『部活終わって帰る時…帰り道にカフェがあるんだ』
あたしは、扉の向こうにあるであろう
京司の背中の辺りを
ずっと見つめていた
胸が痛くて
張り裂けそうだ
『その店ふと見たら…音緒が居てさ。声かけようと店ん中入ろうと思ったら…』
京司の声が、
微かに震えている。
それが京司の痛みを物語っていた。
『そしたら見た…
音緒が男と一緒に居るところだった…』
……そんな……
声が出ない。
出せたとしても、
あたしは京司に何て言うのだろうか。