恋愛心工事中。
『知ってんの?』
ガシャガシャと
自転車を漕ぐのに
息があまり乱れていない
京司が尋ねた。
「…うん…」
此処は………
壱と来た道だった
JEWELSに続く道…
1人でクスッと思い出して笑ってしまう。
壱と2人で来た時も
あたしはこの下り坂を怖がっていた
壱の自転車に
壱の後ろに乗って。
手を握った壱が
キザな台詞を
言ったんだっけ?
溢れる楽しい思い出に
笑みも溢れた。
JEWELSで見た、
あの宝石みたいな
綺麗な景色
忘れない
壱との思い出の場所
『JEWELSにさ…
前に、音緒と一緒に行ったんだよ』
京司が徐々にスピードを緩めながら、そう言った。
『永遠に結ばれるっていうジンクス、叶わなかったな』
京司は
"ダメじゃん"と
苦笑いしたように
そう言った
………………
胸が
ズキズキと
痛んだ