恋愛心工事中。


『音緒と誓ったよ、
"ずっと一緒に居れますように"って』


京司の背中を
じっと見つめた





『気付かなかった…
音緒が本当は
それを望んでなかったってこと……』





微かに震える、
京司の声。

大きな背中が
やけに小さく見える。




京司が
元気が無かったのも

不健康に
痩せていたのも



悩んで
苦しんでいたから




だけど、あたしは
何も

何も気づけなかった






『いつからいつまでが…音緒は俺を一番に…大切に想っててくれたのかな…』






京司の
明るい茶髪が
夏の太陽の日差しに

眩しく
金色に光っていた






震える背中の
Yシャツをそっと
握りしめた






「…………っ」





京司に
何の言葉も
かけてあげられずに

こうして
握りしめることしか
あたしには出来ない




無性に自分に
腹が立って
悲しくなった









『……ありがとう』






京司がふと
そう呟いたのを
聞いたら




「………っぅ」






京司に気付かれぬよう
涙をこぼした







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