恋愛心工事中。


『到着』


涙を拭いて上を見上げると、そこに広がる景色。


まだ2時なので、夜景では無いが、それでも見晴らしが良い。





『ここ居ろ』

「痛っ!?」




京司に背中を押される。


そこは、丘に続く階段の裏だった。

あたし達が来た場所からは、あたし達は見えない。





「はっ!?え!?」


何か……
隠れてるみたい!?




『黙れ』
「言葉を慎みなさい!!」



う~、と唸り合って睨みつける、あたし達。





『ここに居れば、
分かると思う』


京司は軽く溜め息をついて、あたしを見た。





………何それ…。




意味の分からないまま、あたしと京司は黙ってそこに居た。




夏の太陽が、ジリジリと焼き付ける。





「日焼け止め…」


鞄から取り出そうとすると、京司が手を伸ばす。




『お前な、十分白いだろうが。ちょっとは焼け』



……その手は日焼け止めが欲しいの手?






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