恋愛心工事中。
黒い自転車に乗り、
金色の髪を
揺らしている。
悲しげに見える
その瞳
何を思っているのだろう
佐々木君に呼び出された時、壱は"行ってこい"と、冷たく言い放った。
それから佐々木君に告白され、壱に想いを告げる決心をした。
そしたら京司に会って…涙を流しながら分かち合った。
壱は………
ここに向かうため、
学校を出たんだ
…………何で…?
疑問で埋め尽くされる脳が、あたしを混乱させる。
『俺、たまたまサボった時に此処に居たら、壱が来てさ』
小声で話す京司。
『顔出せば良かったんだけど…どうも壱の様子じゃ無理で』
…………え?
顔を出したかった。
けれど………
壱の様子を見たら
出せなかった?
「どうして…?」
小声で尋ねた。
『見てれば分かる。
そこで壱の所に行くかはお前次第』
京司の言葉に、
体が緊張した。
ジッと壱を見る。
壱は自転車を降り、
こちらへ向かっていた。
居ることがバレないか、心臓は激しく脈打っている。
…バレたらどうしよう!!