恋愛心工事中。


………………

何も、出てこない
何も、何も、何も。



……イギリス?

頭に浮かぶ疑問。




手は自然と拳を作り
汗ばんでいた。





"どうして"、と
聞くことも出来ない

"嘘でしょ"、と
聞くことも出来ない



ただ呆然と立ちすくんで



壱の顔も見れない
頭を上げられない

悪い夢みたいだった












『俺、クウォーターなの知ってるよな。
親父の父が…つまり爺ちゃんがイギリス人なんだ』


壱は話し始める。

あたしは壱の顔を見れず俯いていた。






『爺ちゃんはもう死んじまったんだけど…今は親父が仕事休みで、婆ちゃんに会いにイギリスに行ってたんだけど…』



壱の声が弱まった。






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