恋愛心工事中。
『イギリスで
親父が倒れたって
婆ちゃんから
連絡きて…』
壱の震える声に
何も言えない。
頭が混乱して
息が詰まりそう
『俺ん家、母さん居ねぇんだ。だから親父がイギリス行ってる時、1人暮らし状態だった』
…知らなかった……
当たり前だけど…
驚いている自分が居る。
『母さんは俺が小さい頃に病気で亡くなったんだって。俺が覚えてねぇくらいの時』
「…………」
『親父は今、イギリスに居て…婆ちゃん1人じゃ看病無理だからさ、』
嫌だ 嫌だ 嫌だ
聞きたく、ない
『俺もイギリス
行くことにしたんだ』
ズキンと
胸の奥が痛んだ
鼻がジーンと痛くなって
目頭が熱い
泣きそう
だけど
泣いちゃダメだ。
そんな予感がして
胸を締め付けた。