恋愛心工事中。


お父さんが倒れたなんて

それは心配で心配で
苦しいよね?


壱は、イギリスに
行かないワケが無い



お父さんのために
イギリスに行くんだ







行かないで
なんて

言えないじゃない







「………そっ、か」


やっと口から出た言葉は
脆くて弱々しかった。




『あぁ…だから美羽とは暫くお別れだ』


……………



「いつ…
帰ってくるの…?」


怖いけど
聞かなきゃ……





『分かんねぇ。
婆ちゃんに居ろって言われたら…もう此処とお別れだな』


っ!!!



自然と言う壱

涙が溢れ出しそうになり何とかこらえた。




「壱は……」
『ごめんな』



急に壱が、あたしの言葉を遮った。









『嘘ついて。
ごめんな』



寂しげに笑った壱を
見てしまったのなら

涙を抑えきれる
自信が無い




『美羽がケリつけるために琉依に会いに行ったなんて、俺には分かってたよ』


……………っ、
じゃあ京司が…
正しかったんだ……





「じゃあどうして…
電話に出てくれなかったの…っ?」


つい、
声が震えてしまった。




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