恋愛心工事中。
「……忘れた」
ほんとだもん。
そんなの、覚えてない。
『…忘れるほど俺に夢中だったの?』
…………(殺)
『やめっ!?やめろ!!
ちょ…マジで脇はやめろ!!ぐはっ!?』
すると突然
(くすぐってた)
壱が自転車を止めた。
クルリと壱が振り向くと、壱はニヤリと笑っていた。
ぞぞぉ!!(怖)
壱はあたしの腕をとって、自転車を道端に置くと、あたしと向かい合った。
『美羽のバカ』
「なっ!!?」
突然
壱に抱きしめられた。
「い、壱っ…
ここ道端だよっ…」
抵抗しても、ビクともしない壱の体。
『悪り…我慢できない』
壱はその色素の薄い瞳で
あたしを捉えた。
身動きが出来ないほどに
心臓が暴れ出す。
壱の真剣な表情には、何も言えなくなる。
背の高い壱があたしを見下ろしている。
壱は本当に綺麗なんだな、と、何だか見惚れてしまった。