恋愛心工事中。
あたしが勝手にそんな失礼な事を考えていると…
『美羽!』
うっわー!
き、来た来た!
あたしは露骨に嫌な顔をして、サッとソイツから視線を外した。
『冷たいなぁー』
黒崎がそう言った。
あたしの隣でニコニコしてやがる。
気持ち悪っ!
(↑言い過ぎ)
『美羽の料理食いたい!』
まるで小型犬が尻尾を振るように、子供が夢を語って目を輝かせた時のように。
黒崎はそんな顔をした。
……はぁ?(怒)
ふざけんなよっ!?
「今何つった?」
(↑怖)
あたしは黒崎を睨んだ。
『だから!
美羽の料理食べたい!』
……正気かよ。
「あんたに食べさせるなんて無理っ!」
『…何で?』
何でって!
分かれよ!
「あんたには絶対あげない。そんな事したらもったいない。」
あたしはツンと言い放った。
『俺食いたいんだけど。』
「知らない!
瑠璃に貰えば!?」
……っ。
な、に
今の。
『…美羽のが良い』
何なのよ、コイツ。
馬鹿じゃないの?
何でそんな急に真剣な目してんのよ。
あたしをそんな真っ直ぐに見ないでよ。
…おかしい。
あたし…どうしちゃった?
黒崎のこのギャップに、あたしはどうしようもなくなる。
……。
『美羽?』
黒崎が、そっとあたしに手を伸ばした。
………っ!
「嫌っ!」
あたしは黒崎を拒否した。
…………
クラスが静まった。
『笹崎?』
政え先生が言った。
…あた…し…
『何でも無いです。』
黒崎が笑って言った。
……っ
無理やり笑顔作らないでよ。
こんなあたしでも分かるくらい、寂しい顔してるよ?
………もうダメ。