恋愛心工事中。


『美羽のせいだよ』
「はっ!?」

いきなり意味不明。




『ったく…
マジ混乱する…』


壱は困ったように、あたしから視線を逸らせて頭をかいた。



初めて見る表情。

あたしが壱にそんな表情をさせているんだと思うと、少し頬が緩んだ。





『あ~、も~!!』

壱はかったるそうに
そう言って、




「っ、ひゃ!?」




あたしの首筋に
唇を触れさせた





「ちょ、い、ち…」
『…………』


壱の熱い唇が
首筋の神経から全身を伝わって、あたしを狂わせた。




「ひゃめ…っ」

呂律が回らない。




すると、壱はあたしの首筋に唇をつけたまま、あたしを見上げた。



「…っ」


壱のその艶っぽい表情に
不覚にも
胸が高鳴った。




背の高い壱が、かがんで、あたしの首筋に軽い痛みを与えていく。



訳も分からず、あたしは拒否することも出来ずにいた。



『………』

壱が軽く息を吐くと、唇をやっと離した。





「~~~っ」


顔から火が出る…!!




そんなあたしを見て
壱は妖しく
口の端を上げた。




< 320 / 440 >

この作品をシェア

pagetop