恋愛心工事中。


『俺の最後の我が儘。
あ、やっぱり唇にキスが良かったかな』


壱はニヤニヤして
あたしを見ている。



恐ろしい…
変態壱!!!!!




『いっぱい付けといたから、後で見てみな』


…………は?



真っ赤なあたしの頭は真っ白で、何も考えられない。



『分かんない?
俺が今、何したか』

………わ……




「分かる訳無いでしょ!?あんたみたいにそういうの慣れてないから!!」


ムカつく………!!!
高2のくせに、こんな余裕綽々な…っ!!




『鏡ある?』
「あるけど?」
『出して』


壱が手を差し出す。



カバンから
お気に入りのブランドの
黒い鏡を取り出す。





『首。
これな~んだ?』

ニヤ、と笑う壱は
あたしの前に
鏡を差し出した。




………………?


鏡を見て
自分の首を見る。




「……………」


赤い印が
ところどころに
無数についていた。



「……あ、の…」

こ、れって…
もしやまさかの…




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