恋愛心工事中。
ひどいよ
明日には
あたしから離れるくせに
どうしてこんな
"壱"を刻みつけるの
「………っ」
『美羽!?』
明日には
もう壱が居ない
イギリスへ
行ってしまう……
『ごめん!!
嫌だったか?』
違うよ……
壱は分かってない。
あたしは勢い良く首を横に振って否定をした。
「壱……っ」
壱がもし
帰ってこなかったら
あたしは
壱を忘れなきゃいけない
その時
簡単に忘れることなんて
出来ないよ
壱、ずるいよ
帰ってくるか
分からないのに
あたしに自分を刻んで…
忘れられないじゃん
『美羽』
壱が優しく頭を撫でてくれたことで、安心と寂しさが一気に上り詰めた。
…行かないでほしい。
壱のお父さんや家族を取り払って、あたしの本音は行かないでほしいの。
けど、お父さんに会いに行かなきゃいけないじゃない。
おばあちゃんだって
きっと困ってる。
それをあたしの我が儘で、
それだけで……
「ご、め…ん…
気にしない、で…」
壱の視線があたしに向けられていたが、あたしは俯いていた。