恋愛心工事中。


皆が黙り込んでいた。



有美の表情は青ざめていて、信じられないといった様子だった。



『今日…学校が終わったら、空港に行ってイギリス飛びます』


壱の言葉に
皆が驚いていた。




『………黒崎。
座りなさい』


生徒に促されて、壱はあたしの方にやってきた。



あたしが必死に髪で隠した首もとを見て、壱はクスッと笑った。



そして壱は隣に座った。



黙り込んでしまった教室内に、1時間目の予鈴が鳴り響く。




政え先生は、

『皆、深刻な顔してる暇あったら、黒崎に話かけて』


そう言って、
教室を出ていった。





しかし、
静まる教室内。



その時。





『美羽っ!!!!!』


あたしを呼ぶ声。




驚いて顔を上げると、
そこには………









「…………瑠璃」


瑠璃が居た。




『ちょっと来て』

瑠璃の強い瞳に
何も言えなくなる。



そして、




『あたしも良い?』


そう言ったのは、
有美だった。


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