恋愛心工事中。


沈黙が起きた。


あたしだって
言いたくなかった

壱が行ってしまうことを
正当化しなくちゃ
いけないなんて





『…そんなの…
無理だよ……』


瑠璃が沈黙を破った。




『すぐ帰ってくるって言ったって…1ヶ月ごときなんかじゃないでしょ!?』


……………




『そんなの…分からないじゃん…美羽は…壱君が良いってやっと思えたのに…』


有美が呟く。




『美羽が壱君をずっと好きでいれても…両思いじゃなきゃダメだし……そんなの、お互い自由になれないよ』


有美は続けた。



『美羽も壱君も…
いつ幸せになれるの?』




胸が痛い。

分かってる……



おとぎ話なんかじゃ
ないんだから





『美羽…そんな曖昧な関係、作らない方が良いよ……美羽は黒崎君じゃない人、探すしかないよ』


瑠璃が言った。





………壱じゃない
好きな人……?



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