恋愛心工事中。


キーンコーン
カーンコーン……



1時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り響き、廊下がざわめきだした。



瑠璃が立ち上がり、順に有美とあたしも立ち上がった。



歩いて教室に入ると、壱の周りに人だかりが出来ていた。





『黒崎君って、イギリス人だったの!?』

『寂しくなる…』

『これ書いて!!』




女の子を中心に
皆が壱を取り囲んでいる

壱が見れないほど。




あたしの席には男子が座って壱に話しかけており、話しかけたくないので、有美の隣の席に座った。



瑠璃は自席に着き、
あたし達と離れた。






『あ』


すると突然、
有美があたしの背後を見て声を発した。




「どうしたの?」


あたしの問いに、
有美が口を開いた。







『噂をすればの、
佐々木君』





有美の言葉に、
ゆっくり振り向く。





すると、
戸の辺りに立った佐々木君と、ばっちり目が合った。



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