恋愛心工事中。
『かぁーっ!ねみぃ!』
ソイツは赤茶色の狼みたいな髪をグシャグシャした。
あたしは目が点。
大嫌いな男だけど、何もできない。…驚きすぎて。
ピアスが両耳に何個か付いている。
赤茶色の髪は短めでツンツンたっている。
右耳から付いている一番目立つピアスにはチェーン(鎖?)が付いていて、Yシャツに付く安全ピンに繋がっている。
いわゆるパンク系。
『…あれ?』
男が言った。
っ!?
あたしはその鋭い目に見つめられ、ようやく恐怖が襲ってきた。
怖い!!感じ悪っ!
あたしがビクビクしていると…
『……音緒じゃねぇ』
……ん!?
音緒?ネオ?
『お前…誰?』
怖ー!あんたこそ誰!?
なんて言えない(笑)
(↑笑ってるけど恐怖)
『二年…四組の…笹崎美羽…です。』
震える声を抑えながら言った。
『は!?』
狼が唸った。
(↑狼って…)
あたしが凄い恐怖を感じていると…
『はははっ!
タメかよ!
つーか音緒そっくり!』
へ?へ?ええっ!?
な、ナンデスカー!?
予想外の展開。
キレられるかと…(涙)
笑うと可愛くなる。
つりあがった目が優しい目になった。
『あ、悪ぃ』
男はパッとあたしの右手を離した。
…見た目程怖くないのかな?
『まじ似てんな~』
そう言って男はあたしの顔をマジマジと見る。
…っ怖いー!
(↑涙目の美羽)
『そんなおびえんなよ』
男はあたしから離れた。
あたしの寝ていたベッドの隣にあった椅子から、隣のベッドに移り座った。
あたしは上半身を起こした。