恋愛心工事中。


『じゃあまた後で連れと来ますね!!』


佐々木君は笑顔で
教室を出ていった。







すると有美が笑って
あたしを見た



『佐々木君、ほんと分かりやすいね。美羽のこと、まだ大好きなんだね』



……………ドクン

心臓が 揺れる




あの眩しい笑顔…
皆に人気な訳が
何となく分かった。




『美羽…
あたし、良いと思う』



有美の言葉に
主語は無かった。

だけど分かった。





チラリと
横目で壱を見る。




始業を告げるチャイムが鳴り響き壱を取り囲んでいた人々は消え去っていく。




壱の表情は
切なげで

悲しそうだった






首を隠した髪を
更に首を隠すように
あたしは押さえつけた



壱の証が





今は痛くて








"佐々木君と
向き合ってみれば?"




渡されたチケットを
強く強く
握り締めた



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