恋愛心工事中。


『色んなことがあって、大切な人と泣いたり笑ったり…それもこれからの人生において財産になると信じています』



壱は柔らかい
笑みを浮かべ

あたしの目線を捕らえた






『苦しいことがあっても、皆と居れた日々を思い出します』



その目に
身動きがとれない








『…今まで有り難う』





あたしを見つめて
そう言い放つ。



まるでそれは
"さよなら"だった




もうダメだ
そんな、さよなら。




涙が溜まって
零れ落ちた




席が一番後ろで良かった

皆に見られないから




壱に気づかれぬよう
素早く俯いた





"良いと思う"


有美の言葉と
佐々木君の笑顔が
頭によぎる



"黒崎君だって分かってるはずだよ、そんな関係無理だって"

瑠璃の言葉………




"俺が帰ってこなかったら、その時は俺のこと忘れろ"

壱の寂しそうな笑顔…



"壱と幸せになれ"

琉依………




"俺のことは後でも良いから、まずは美羽"

京司………っ




ねぇ…………









誰かっ………


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