恋愛心工事中。


『ただの発作?』

『親父は元から体が弱くて……だから疲労が重なって倒れたんだと思う』





『…母さんは?』


京司の問いに
少し俯く壱




『もう居ない』





その言葉に
凄く胸が痛んだ



一番苦しいのは壱だと

分かっているけど
やはり辛い




壱は大抵の日々を
1人暮らし状態で
過ごしてきたんだ






どうしてだろう

どうして
あたしの周りには
苦しむ人が
多いんだろう


その人達に
甘えているあたしへの
試練なの?



自分で戦えっていう
試練……?





こんなに自分が
弱くて脆いなんて
知らなかったよ




京司、辛いのに。


音緒さん、見ないな。




2人の事だって
凄く大事なのに

なのに




自分の事は後回しで
あたしの事を
見てくれている京司


あんなに大好きって
言ってたのに

音緒さんを
凄く大事にしてたのに





傷ついているのは
京司、なのに








あたしなんかのために
抱えてる悩み
飲み込んだままで


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