恋愛心工事中。
『昨日は……俺が帰ってきても俺のこと好きだったら一緒になろうって言ったけど』
壱の言いたいことが
分かってしまった。
『そんなこと…結局美羽を縛り付けることにしかならない』
壱はあたしの手を取り
あたしを見つめた
『美羽には幸せになってほしいから…俺を忘れて、いい恋愛をして、誰かと結ばれて』
壱はやっぱり
分かってたんだ
壱が帰ってきた時
あたしが壱を
まだ好きだったら
一緒になる
そんな関係は
無理、だと。
自分を抑えられずに昨日は言ってしまったんでしょう?
『俺は、気持ちが通じ合ったこと、すげぇ嬉しいよ』
壱は少し強く
あたしの手を握った
『…だけど無理なんだ』
壱はあたしの手を
静かに離す
………別れって、ことだ。
『…………元気でな』