恋愛心工事中。
…平気だよね。
あたし、今怖くないもん。
「いいよ、呼び捨てで!」
自然に言えた。
『まじっ!?やった!』
子供みたいに笑う石橋君。
『俺の事は京司で良いから!』
石橋君…いや、京司はそう言った。
な、何か何か…
嬉しい!
人生初の男友達だーっ!
何でかな?
京司は全然平気。
嬉しいんだけどっ♪
『美羽、宜しくな!』
「うん!宜しく!」
京司は笑った。
この笑顔かな?
凄く安心できる。
パッと見怖いけどね(笑)
♪プルルルルッ
『あ、電話!』
京司はズボンのポケットから黒いスライドの携帯を取り出した。
『音緒からー♪』
京司は゛音緒゛と書いてあるディスプレイをあたしに自慢げに見せると、通話ボタンを押した。
『もしもし!』
゛京司!ちょっと聞いてよ~…゛
あたしにまで聞こえる大きな声で話す音緒さん。
゛政え、まじムカつくんだけどー゛
政え先生のあだ名は全学年共通。
『また音緒何かした訳?』
゛違うよ!あたしじゃなくて…゛
京司は笑顔を絶やさない。
…本当に音緒さんは愛されてるなぁ。
凄いな。京司は。
゛で今日デートしない!?゛
『まじっ!?勿論っ!』
京司の笑顔がもっと輝いた。
゛うん、じゃ後で♪゛
『はいはーい』
京司は電源ボタンを押した。
『今日デートだって♪
いぇいっ!』
京司は両手をピースにした。
ぷっ。子供みたい。
「良かったね!」
『おう!サンキュ!』
こんな男友達出来て良かったなぁ!
最初はかなり驚いたけど。
あたしの変な気持ちなんて吹っ飛んでいった。