恋愛心工事中。

『その笑顔が頭から離れなくて｡結局緊張して話しかけられなかった』



あたしなんかに
緊張してくれた？




佐々木君だって
あたしが壱を想うのと
同じなんだ


報われない恋
なんじゃないかって
不安なのかな…？





｢ごめんね…………｣



あたしはもう
壱とは結ばれない

またもう一度壱に会えても､どうすればいいのか分からない｡






あたし､最低だ｡

佐々木君に
気持ちが揺れてる｡



佐々木君を好きになれば
楽になれる

そんな考えが
頭のどこかにある



最低だ
そんなの最低


佐々木君は真っ直ぐな､濁りの無い気持ちであたしを想ってくれてるのに

あたしはその気持ちを
自分のためだけに
台無しにするの？





『何で謝る？』

佐々木君が
あたしの瞳を捕らえた




『まだ好きな奴､
居るんでしょ？』


…………………｡




壱は行ってしまう｡
だけどあたしは…



壱が好き｡




ゆっくり､小さく頷くと

佐々木君は
寂しそうに笑った｡