恋愛心工事中。

調理実習で大波乱




人生初の男友達が出来た、次の日。









「あーりーみぃっ!!」



あたしは登校早々、有美の席に猛ダッシュした。





『!?
何よ!?』



有美が目を丸くしてあたしを見た。





「聞いて驚くなよ!?
あたしにもついに...!!」


『...ついに?』







「男友達が出来ましたぁ~ッ!!」




ぱっぱかぱーん





(美羽の脳内BGM)




『へ?』


有美は今だ理解できていないらしい。





『お、おと...』
「男友達!」





ようやく有美が分かったような顔をした。




そして、有美は素早くあたしの手を取り、両手でガシッと握った。




Σギョエッ!!?




『おめでとさん!!!』



有美は微笑んだ。




何?
おめでとさんって…(汗)




『誰!?この学校?』


有美が勢い良く尋ねた。




「うん、二年二組の石橋京司って人!」



あたしがそう言うと、有美は興奮で赤らめた顔を一気に真っ青にした。




『石橋京司!?』




有美が掴んでいたあたしの手をパッと離した。


有美の顔は悲劇のヒロインみたいになっている。





『あいつ、クスリやってるって噂だよ!?』



……はぁ?




「無い無い!
京司がクスリ?ありえない!」

あたしが笑うと、有美はキョトンとした。




『ありえない?』


「うん!
めちゃくちゃ優しいよ!」



すると、有美は再びあたしの手を掴んだ。





『今度紹介して!
万が一美羽の身に何かあったら大変だもん!』



ぷっ!
ありえないって!



…でも心配してくれるんだね。





「有り難う!」


そしてあたしは大いに祝福された。




気付かなかった…




黒崎が隣であたしを見ていた事。


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