恋愛心工事中。


カサリと音をたて
開いて
視線を向けた









「……………え…」







手紙を見つめたまま
あたしはただ
立ちすくんだ











「バカか俺は……」


何で入国審査の時
ライダースのポケットに
携帯と音楽プレイヤーを
入れてたんだ………


当たり前に
引っかかるだろ……





「………はぁ」


それだけ俺は
焦ってんのか








実は俺は
昨日では無く
今日、日本を出た



昨日は水泳部に行って
京司と土屋とふさげて
またなって言って。


美羽は来なかった。




何となく
分かってはいた。

美羽はきっと来ない


そんな予感がしてて
見事的中した






日本を離れるのも
あと少しだ



空港で雑誌を買い
大きな窓を目の前に
俺は椅子に座った



外に並ぶ飛行機
その点検をする車

日本の光景も
今度見られるのは
いつだろうか




早く来てしまった

今頃学校は
3時間目が始まる頃



飛行機に搭乗まで
あと30分もある




俺は外の景色を見ながら
ぼんやりと考えた


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