恋愛心工事中。


昨日、学校を出ようとしたら
見送りに行く、と
色んな人に言われた


でも俺は
昨日行くと嘘を付いただけで
実際は今日出発だ




だから
"来なくていい"
そう言った


それでもせがむ奴らに
"俺、見送られると
泣いちゃうの"


そう笑って言った。





もう既に泣いてる奴が
俺に頼んだが

まだ出発しないのに
わざわざ空港行って
俺が居ない、なんて


何としてでも
嘘をつかないと





"ここで綺麗にお別れしよう?見送り、すげぇ嬉しいけどさ、俺寂しくなるから"



そう言うと
皆渋々了解して

俺はたくさんの奴と
握手しハグし
言葉を貰い

泣いてる奴の
頭を撫でてやり




皆に別れを告げて
学校を出た






歩いていると
突然、肩を叩かれた



何かと思い振り返ると
そこには
吉田瑠璃が居た







―――――
―――
―…



「…………吉田…」



吉田は息を切らして
俺を見上げていた



わざわざ走ってきてくれたんだろうか





『今日っ……行っちゃうんだよね………忙しいのに引き止めてごめんね……』


吉田はそう言って
俺から視線を外した





『言いたいことあって』


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