恋愛心工事中。
走って走って
階段を駆け上がって
着いた場所
……あのカラオケ。
笑顔の店員さんさえも無視し
走っていくと
右手に曲がって
真っ直ぐ進む
あんな嫌な思い出がある場所
忘れる訳ない
そして
壱に出会えた場所を
忘れる訳がない
合コンできた部屋の前を通り過ぎて、真っ直ぐ走っていくと
直希がトイレに行くあたしに付き添って歩いた廊下になる。
「おえ……」
あの時を思い出すと
有り得ないくらい
吐き気がする
走っていくと
やっと見えた扉
"STAFF ONLY"
壱、ここで働いてたんだよね
ここで襲われかけてたあたしを救ってくれたんだ………
辺りを見渡すが、
これと言って何も無い。
「これだけじゃ分かんないよー!!壱のバカ!!壱みたいに頭良くないんだよー!!!……あ、なら壱はバカじゃないよー!!!!!」
わんわん喚くあたし。
通り過ぎていく客達が変人を見る目でいても、あたしは喚くだけ。
何しろって言うのよ………
きょろきょろ見渡すと
扉のドアノブに……
「蟻!!?!!?」
何か黒い点々!!!!!