恋愛心工事中。


恐る恐る近付いて
よく見てみると……



「…………あれ?」





ドアノブには蟻じゃなく

マジックで書かれた
記号とイニシャル。





扉を差す矢印"↑"と






「I・K………」

"壱 黒崎"





「…………っ」


やっぱりやっぱり!!
壱はバカだ!!!!!




あたしは躊躇いもせず
STAFF ONLYの扉を
ババンと開けた。




「………何、これ…」




目の前に広がるのは


狭い倉庫みたいな部屋。

乱雑に置かれている
掃除用具やマイク。



酷いだろ!?!!?
汚すぎなんだが!?




あたしがビックリ仰天していると、背後から肩をたたかれた。




「っ!?」

ビックリして振り向くと





『何してんの』

息を切らした京司。





「あのね……」

『美羽と黒崎が出会った場所ってこんな汚いところ?』



京司は白い目と
げんなりした表情で
乱雑した部屋を見た



「ちゃっ、ちゃうちゃう!!!!!何でこんな汚いところで!?」


『ここに何かあんの?』



京司は、狭い部屋の脇にあった
電気のスイッチを押した


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