恋愛心工事中。



「でも美羽は絶対に今の自分の意志を曲げないと思う。今の美羽ならね」


ざわめくプールの中
青い観客席に腰掛け
青く輝く水面を見つめた




『分かってますよ。俺だって、もう潮時なんだなって。……この間は自惚れてました。美羽と近付いたような気がして』


佐々木君は遠くを見据え
口元を歪めた





『だけど美羽にはやっぱり好きな人が居るんだって……しかもソイツ、美羽のこと苦しめてんじゃねぇかって。勝手な妄想ですけど……』



………………。






『だから悔しいけど、もう諦めようかなって。……美羽といくら話しても…美羽の心の中心にはなれないって分かったから』



佐々木君は悲しそうに
目を伏せた





『見てれば分かりました。美羽がソイツをどれだけ想ってるか、なんて。……俺なんかじゃダメなんだなって』




だから、

そう言って佐々木君は
あたしを見た




少し悲しそうに
悔しそうに

口元に苦笑いを浮かべ
目に優しさを持っていた






『俺は今日限りで美羽を想うことを止めます。明日の新しく出来た遊園地に行く約束も無しにします。……土屋さんと美羽で行ってきて下さい。……出来たら美羽の好きな人も』





佐々木君、








泣きそうな顔、しないでよ

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