恋愛心工事中。



「…………潔くて良いと思うけど、あたしは。」


あたしも佐々木君を見つめ
柔らかく笑った




「美羽、凄い好きみたいなの。昔はね、恋愛に対して……男に対して、本当に臆病だったんだよ。…だけど」



佐々木君の目からは
今にも涙が零れそうで


辛くなる







「美羽の好きな人がね、美羽の男嫌いを克服させてくれて、恋愛の凄さを教えてくれたの……。だから美羽にとってソイツは、かけがえのない人なんだろうって思う…」




すると佐々木君は
フッと薄く笑った






『すげぇな、ソイツ。
やっぱり俺なんか眼中に無いワケだ。……俺、美羽に何一つあげられてない』




………違うよ





佐々木君は美羽に
あげたでしょう?






その真っ直ぐさと

人を愛すること


柔らかい優しさに
眩しい笑顔





それに美羽が



黒崎君がいなくなって
フラフラの美羽が





佐々木君にどれだけ
救われたことか






佐々木君が居なかったら


今の美羽は黒崎君を想うことは出来なかったんじゃないかな




佐々木君は悔しがるかもしれないけど





佐々木君が居たから


美羽は真っ直ぐに
黒崎君を待とう、と



決意出来たんだよ



けじめ、つけたんだよ

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