恋愛心工事中。
『あー、話すの忘れてたわ』
至って傷ついたり、動揺したような素振りは見えなかった。
「話してくれる?」
『もーいいだろ。
その話題は古いの』
ズキン、と
胸に重みがのしかかった
"古い"
あんなに京司は
音緒さんを愛してた
京司は嬉しそうに
音緒さんと話してた
愛しそうに
音緒さんを見ていた
幸せそうに
音緒さんと笑っていた
…………なのに
音緒さんは
二股をしていた
しかもそれで別れたのに
壱が居なくなる、と聞いて
ボロボロのあたしを
優先してくれた
自分だって苦しいのに
あたしを救ってくれた
京司が貰ったというクスリ
男子トイレに2人でこもって、泣きながら話し合った。
あたしばっかり
どうして京司は
そんなにあたしを
あたしなんかを
並大抵の人間じゃ
出来ないことだよ