恋愛心工事中。
―放課後
あたしはトボトボと歩きながら、教室へと向かった。
居残りはあたしのクラスの隣の…二年五組でやるらしい。
あたし以外にも居残りする人がいるみたい。
……だけど…
大抵居残りする人ってギャルとかなんだよなー…
気まずい………
あたしは、もう中に誰か居るのか、電気がついている2Bの扉に手をかけた。
ガラガラッ
そこには、まだあのウザい先生は居なかった。
………やっぱり。
中に居るのは、ギャル系の人達ばかり。
居残りはダルいけど、友達と喋れるから来てる…って所だろう。
どこ座ろう…?
『あ、美羽!』
ん?
あたしを呼んだ?
…振り向くと。
「京司!?」
あたしの視線の先には、一人で教室の隅に座る京司が居た。
『よ!
お前も居残り?』
京司は此処座れよ、と言うように、自分の隣の席の机を軽く叩いた。
あたしはその机へ移動し、腰を掛けた。
『美羽って不真面目なんだな!』
京司がニヤニヤしてあたしを見てきた。
…んなっ!!
「あたし居残りは今日初めてだから!」
『マジ?
俺なんて20回目くらい~♪』
…………。
おいおい。
『俺、よく授業サボるからさ~。
でも今日は何か行こっかな~とか思って。』
京司は確かにサボり魔だもんね…(汗)
『そしたら美羽が居たから超ビックリだよ!
運命じゃね!?』
「ぷっ……運命とか信じてるの?」
『まぁね♪
だって音緒と出会えた事が運命だと思うし!』
音緒さんとは、京司の大好きな彼女。
京司は見かけによらず、一途で真っ直ぐだ。
音緒さんを今だ見た事は無いけど…
京司にこんなに愛されている音緒さんは幸せだろうな。