恋愛心工事中。
引っかかってる。
何で髪切った訳?
何で抱き締めた訳?
゛俺、美羽の事…゛
頭が混乱して訳分かんないよ……
『あのさ』
黒崎が下を向きながら言った。
「……何?」
少しいつもと違う黒崎。
『美羽って恋愛した事ある?』
………え?
少し、心臓が跳ねた。
「恋愛…?」
黒崎の透き通った綺麗な茶色の目が、優しくあたしを捉えた。
…………っ。
あまりにも綺麗で、深くて、吸い込まれそう。
「……少ないよ」
何で答える気になったんだろう。
何で゛そんな事聞くの?゛とか聞かなかったんだろう。
自分でも分からない。
黒崎の事、嫌いなのに。
今は、何とも思わない。
でも、京司みたいな男友達と言ったら別。
…何だろう。
京司は一緒に居て楽だけど、黒崎は一緒に居ると苦しい。
胸がつまって、息が出来なくなりそうになる。
『どんな恋愛だった?』
どうしてこんな事聞くのかな?
でも、今は黒崎が嫌いとは思ってない。
それも自分でも何故だかは分からない。