恋愛心工事中。



学級委員だし、リーダーシップもある。

勉強も出来、運動も出来、助けてくれる。


顔も格好良い。




だから、藤城は男子からも女子からも好かれていた。




…あたしは無理だけど。







『笹崎なぁ、頑張ってアイツら追い払わんと。』



呆れたように笑う藤城。








『アイツらも悪い奴じゃないんやで!』






藤城が好きな女の子は皆こう言う。


゛皆に対して平等゛





その意味が分かった。









『まぁアイツらはきっと笹崎の事、好きなんやな…しょーもないわ』




っえ!?
す、好き!?


……ゾワ。
(↑失礼)






『男嫌いなんか?』




あたしは藤城の問いに恐る恐る頷いた。





『俺も嫌か?』




………う。

本人の前で言える訳無いじゃん……(汗)









「………普通。」



小さな小さな声であたしは言った。







『ぷっ!普通て!
嫌言われるより嫌や!』




えっ!?




藤城は可笑しそうに笑った。




ツボに入ったのか、今だ笑っている。






『まぁええわ。
次は言い返すんやで!』




そう言って藤城はあたしの頭を軽く撫でた。







………その時。





あたしの心臓が跳ねた。




あたしの中で何かが変わった気がしたんだ。





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