恋愛心工事中。



―その日の放課後









『笹崎!
今日…これから時間あるか?』



あたしが帰ろうとしていた時、藤城に言われた。



ドキン





意識をしてしまう。







「大丈夫だよ!?」

『じゃあ教室に居てくれへん?俺、掃除しなあかんから』

「うん!分かった!!」





そう言って藤城は、あたしの元から離れた。





すると、素早く友達があたしのそばに駆けつけて来た。






『美羽!!まさか…』

『藤城君、美羽に告るんじゃない!?』




は!?




「ありえないよ!!」



『いや、告白だよ!!
絶対!!頑張って!!』




………無いよ……





『ファイト!』




そう言って、友達は帰っていった。






…そんな事言われたら、自惚れてしまうよ。






藤城が、あたしの事を好きなんて、ありえない。




藤城は誰かを助けるのが好きだから、あたしの事を助けるのも、そういう好き…とかがあるからじゃない。




あたしの片思い。










自分で思って、辛くなってしまった。





………バカ。







あたしは席について読みかけの本を読みながら、藤城を待つ事にした。








『笹崎帰らないのか?』



先生が黒板を消しながら言った。



教室はあたしと先生以外誰も居ない。








「え…まぁ、はい…」




先生…もしかしてこれからも教室に居るのかな?






『早く帰れよ?』



先生は黒板消しをクリーナーにかけた。





教室に広がるクリーナーの音。






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