恋愛心工事中。


『笹崎は最近成績が上がってるな。
この調子で頑張れよ!』




そう言って先生は、教室を出ていった。





………はぁ。
良かった。




あたしは本へと視線を戻した。



でも、気になるのは藤城の事。






何だろう…………





゛告白だよ!!絶対!!゛






………違うよ。



期待しちゃダメ。







そんな事を考えていたら、いつの間にか眠りについていた。
















………夢…?



誰かが、あたしの頭を優しく撫でている……





その時、あたしは目が覚めた。






あたしの隣の席には、あたしの頭を撫でている藤城がいた。





………っ!?






『あ、起きたん?
よう寝とったな♪』




藤城が笑顔で言った。





っ。



恥ずかしいのと、嬉しいのと。






『あ、雨降っとる!!
しまった~傘忘れてもうた!』



え?





外は雨が降っていた。








『ごめんな?
待たせてもうて。
傘持ってきてるか?』




やっぱり優しいね。






「持ってきてるよ!」



『流石やな~。
俺濡れて帰るハメになったわ。』




藤城は恥ずかしそうに笑った。





……ドクン






この世が一秒一秒刻む度に、あたしが藤城を思う気持ちが膨らんでいく。











『笹崎って……雨っぽいよな。』



へ!?



「あ、雨!?」


『悪い意味じゃあらへんて!
ただ、何となく、そう思っただけやし!』





……雨っぽい?
あたし?






あたしが自分で考えていると……














『俺、雨好きやねん』






………っ




< 68 / 440 >

この作品をシェア

pagetop