恋愛心工事中。
『………アホ』
琉依は少し不機嫌そうな顔で、そう小さく呟くとあたしの手をとった。
…………っ、
「ごっ…ごめんっ!」
あたしは琉依の手を握り返す。
『……鈍感』
琉依はそう言って、柔らかい笑みを見せた。
幸せだったよ。
あの時は…………
凄く、凄く…
幸せだった………
あたしと琉依が付き合い始めて、1ヶ月半が経った頃。
『美羽~帰ろ!』
「はいはいっ!」
琉依は学級委員会で遅くまで残るらしいので、一緒に帰れない。
友達と色んな話をしながら歩いていると……
『社会の宿題超めんどくさいんだけど~』
『ダルいよね!』
………あれ?
「あ!」
ヤバい!
『美羽、どした?』
「社会の宿題、学校に置いてきちゃった~…」
どーしよっ!
『マジ?戻る?』
幸い、あまり学校から出ていない……
「うん、取りに行ってくるよ!」
社会の先生怖いし。
『付き合おうか?』
『行くよ!』
「ううん!悪いからいいよ!明日学校でね!」
あたしは急いで学校へと戻った。
「はぁっ…」
疲れた~……
自分の教室の前で、走ったために荒くなった息を整える。
はぁ……運悪。