恋愛心工事中。



『………アホ』




琉依は少し不機嫌そうな顔で、そう小さく呟くとあたしの手をとった。





…………っ、






「ごっ…ごめんっ!」



あたしは琉依の手を握り返す。






『……鈍感』







琉依はそう言って、柔らかい笑みを見せた。











幸せだったよ。
あの時は…………



凄く、凄く…
幸せだった………













あたしと琉依が付き合い始めて、1ヶ月半が経った頃。




『美羽~帰ろ!』

「はいはいっ!」




琉依は学級委員会で遅くまで残るらしいので、一緒に帰れない。







友達と色んな話をしながら歩いていると……






『社会の宿題超めんどくさいんだけど~』

『ダルいよね!』




………あれ?







「あ!」



ヤバい!





『美羽、どした?』


「社会の宿題、学校に置いてきちゃった~…」




どーしよっ!







『マジ?戻る?』



幸い、あまり学校から出ていない……






「うん、取りに行ってくるよ!」



社会の先生怖いし。






『付き合おうか?』
『行くよ!』

「ううん!悪いからいいよ!明日学校でね!」







あたしは急いで学校へと戻った。
















「はぁっ…」


疲れた~……




自分の教室の前で、走ったために荒くなった息を整える。





はぁ……運悪。





< 71 / 440 >

この作品をシェア

pagetop