恋愛心工事中。
あたしが教室のドアを開けようとした…時。
『お前さ~、笹崎と付き合ってんだろ?』
………え?
男子の声。
この声は確か……
琉依と仲が良い男子の…
思わず、自分の事が話題にされていて、ドアから少し離れた。
『まぁな』
琉依!?
会話が会話だけに、気になってしまう。
本当はいけないよね?
盗み聞きは…。
でも、気になる。
『ぶっちゃけどのへんまでいった訳?』
!?!?!?!?
ど、どのへん!?
『…別に。
デートしてるくらい』
『良いよな~。
あんなモテる奴と付き合えてさ!』
『せやな。』
『お前ってズルいよな~本当。』
………何?
あたしは耳をすませた。
『笹崎の事、ある意味利用してんじゃん』
……………は?
一瞬、男子がそう言った時、あたしは別世界に行ってしまったみたいだった。
………今、何て?
何?何て…言った?
『ある意味な。
羨ましいやろ?』
………琉依?
え?
…ちょっと待ってよ…
思考回路が切断されたみたいだった。
琉依は…あたしを利用してる?
どういう事?
これは……夢?
自然と足が震えた。
……どういう事?
あたしは勇気を出して、また耳をすませた。