恋愛心工事中。



結局あたしを追って来なかった琉依。






もう終わりなんだと、痛感した。












――それから。





あたし達は自然消滅という形で終わった。






友達には言わなかった。


というより、言えなかった。





あたしは…大好きな人に…利用されていた、なんて。

言えなかった……。






あたしはそれから、琉依を避け続けた。

琉依もあたしに話しかける事は無かった。






『喧嘩したの?』




そう問われた時は、曖昧に『そうだよ』としか答えられなかった。







…意気地無しと言ったらあたしは意気地無しだ。


でも…言えないよ。







琉依に利用されていたなんて…友達にも、誰にも言えなかった。



苦しくて、ずっと誰かに吐き出したかった。







…ずっと悩んだ。






友達に話すべきか、琉依とまた話し合うべきか。





眠れない夜が続いた。










………でも…
そんなある日………















『藤城君が、転校する事になりました。』







琉依が、琉依の思惑通りに生徒会長になって、3年が始まったばかりの頃だった。





――春。








桜が綺麗に咲く頃。







琉依は神奈川県に転校する事になった。




此処は東京。





『会えない距離じゃないよ』



そんな励ましを貰ったけど、その転校を理由に、あたし達は終わりにすると嘘をついた。





友達は『どうして?』だとか、『別れる事無いよ』とか言ったけど…






あたし達が別れた理由は転校なんかじゃない。

あたし達はもっと前に別れてるんだよ?





< 77 / 440 >

この作品をシェア

pagetop