恋愛心工事中。
結局あたしを追って来なかった琉依。
もう終わりなんだと、痛感した。
――それから。
あたし達は自然消滅という形で終わった。
友達には言わなかった。
というより、言えなかった。
あたしは…大好きな人に…利用されていた、なんて。
言えなかった……。
あたしはそれから、琉依を避け続けた。
琉依もあたしに話しかける事は無かった。
『喧嘩したの?』
そう問われた時は、曖昧に『そうだよ』としか答えられなかった。
…意気地無しと言ったらあたしは意気地無しだ。
でも…言えないよ。
琉依に利用されていたなんて…友達にも、誰にも言えなかった。
苦しくて、ずっと誰かに吐き出したかった。
…ずっと悩んだ。
友達に話すべきか、琉依とまた話し合うべきか。
眠れない夜が続いた。
………でも…
そんなある日………
『藤城君が、転校する事になりました。』
琉依が、琉依の思惑通りに生徒会長になって、3年が始まったばかりの頃だった。
――春。
桜が綺麗に咲く頃。
琉依は神奈川県に転校する事になった。
此処は東京。
『会えない距離じゃないよ』
そんな励ましを貰ったけど、その転校を理由に、あたし達は終わりにすると嘘をついた。
友達は『どうして?』だとか、『別れる事無いよ』とか言ったけど…
あたし達が別れた理由は転校なんかじゃない。
あたし達はもっと前に別れてるんだよ?