恋愛心工事中。
何度も友達に言いたくなった。
本当の事を思いっきり吐き出したかった。
……でも。
利用されていた、なんて言ったら、どんな目で見られるか…怖かった。
友達の事は好きだった。
でも…
あたしは言えなかった。
やっぱり…あたし、意気地無しなのかな?
――
『藤城君…何で美羽と別れちゃうの!?』
琉依のお別れ会を放課後にクラスメイトとやって、その後。
少しずつ皆が帰り始めた頃、あたしの友達が琉依に詰め寄った。
………っ。
『藤城君は美羽の事、好きなんでしょ!?』
『離れてても好きだよって言ってあげない訳!?』
……………。
すると、琉依は静かに口を開いた。
『……ごめん…』
………………っ。
涙が込み上げた。
どうして謝るの?
誰に対して?
何に対して?
心にも思ってないくせに、そんな事言わないで。
『琉依なんか…っ
大っ嫌い……!』
こんな事を言っても、どうせ琉依はあたしの事をガキだとしか思わないんだろうね。
……悔しいよ。
あたしは友達の声も無視して、走り出した。
教室を飛び出て、走る。
廊下を滑りそうなくらいに走って、階段を駆け下りて、玄関へ。
………大嫌いだ、
琉依なんかっ…
あたしは乱暴に靴を履き替え、また走り出した。
校庭を突っ切って、校門を出た。
風が、あたしの髪を揺らす。