恋愛心工事中。
近付く…?
『……美羽』
泣きすぎてうまく伝えられたか分からない。
ただ、黒崎が優しくずっとあたしの背中をさすってくれていた。
それがとても安心出来たの。
『…それで男嫌いになったんだ』
「うん…
男って皆そんな事考えてるのかなって…
本当に怖くなっちゃって…」
黒崎は黙って聞いてくれていた。
「ナンパとか…体目当ての男とか居るでしょ?
だから…カラオケの時は本当に怖くて…また男に何かされるのかって思って……」
黒崎は静かに頷いた。
「だから…黒崎が助けてくれた時もね…正直、黒崎が怖かったの…けど、話せる自分が居て…」
『………うん』
「高校に入っても、凄く男が怖くて…男と話す事なんて無かった…
けど、京司は凄く良い友達になったの…」
『…アイツの事は平気なんだ』
「うん…見た目は怖いけど、凄く優しいし…
大丈夫……」
『じゃあ俺は?』
………。
黒崎……は……
「黒崎は…ウザいけど、平気…かもしんない。」
あたしが小声で呟くように言うと、黒崎の笑い声が聞こえた。
『ウザいのかよ、俺。』
黒崎は、ツボに入ったのか、クスクスと笑いが止まらない。
「……ウケすぎ」
『良かった』
………?
「何が?」
『美羽が俺の事嫌いって言ったらどうしようかと思った…』
…………っ。
「嫌いだったら今頃アンタと一緒になんか居ないよ……」
『…じゃあ俺の事好きって事!?』
抱きしめられているので黒崎の顔は見えないが、輝きに満ちたような表情をしたんだろう。
「違う!
普通って事!」
『でも普通で俺の事友達だと思っててもさ、抱き合わないよな?』