恋愛心工事中。
…………。
「確かに!」
あたしは黒崎からパッと離れた。
『…美羽…俺、今何ツッコんで良いか分かんねぇんだけど?』
「どいてっ!
何であたしは普通の奴と抱き合ってんの!?」
『………知らねぇよ』
はぁ…本当にあたし…どうしちゃったんだろ?
心臓の暴れ方が尋常じゃない。
黒崎があたしを見つめてクスッと笑った。
………っ。
心臓がもたないっ…
『美羽は…琉依の事、今はどう思ってる?』
………えっ…
「…………」
あたしは思わず黒崎から視線を逸らした。
黒崎の視線が痛い。
「……分かんない」
…本音。
「琉依の事…最低だとは思ってる…。
けど…心から最低とは…思って…ない…ような気が…する。」
これも……本音。
『…琉依の事は…もう好きじゃねぇよな?』
…………っ。
「それは無いよ!」
あたしは黒崎を見た。
…寂しそうな顔。
゛俺じゃダメ?゛
「琉依の事は…好きなんかじゃない」
黒崎は少し安堵の表情を見せた。
…………っ。
ねぇ、黒崎。
こんな男嫌いで…いつ振り向くかも分からないあたしなんかを好きでいて良いの?
それなら…違う人を好きになった方が良いじゃん……。
あたしを好きになってくれるなんて……
時間の無駄じゃないの?
ねぇ……黒崎……
…本当に…後悔しないのかな…?
あたしの事を…好きになったって……
………っ。
自分で言って傷付くなんて、馬鹿みたい。