恋愛心工事中。



『ご注文が決まりましたらお呼び下さい』



男はメニューと水を置くと、去っていった。







『何食う?』



黒崎がメニューを開いてあたしに聞いた。






『あ、俺おごるから』





…………へ?

…おごるから?







「え!?やめてよ!!」

『遠慮すんなって』






遠慮っていうか…







「悪いし…」

『気にすんなって♪』





~~~っ。






『あ、じゃあ俺パスタにしよ♪美羽は?』



…………。





「い、良いの?」

『勿論♪
好きな女におごんなきゃ男としてダメだろ♪』





……キザ男め。









「……じゃあ、お言葉に甘えて…」

『ぷ♪どうぞ?』





あたしはメニューを眺めた。




どれも美味しそー。







安いのにしなきゃ。


…あたしだってそりゃこんな奴でも気を遣いますよ?




誰だよ、意外に律儀な奴とか言ったの(怒)









「じゃ…これで!」


あたしはパスタの中で一番安いのを指差した。








『美羽さ、コレ頼んでくんねぇ?』



…………。





「………は?」



何ですと?







『俺さ、コレとコレで迷ってたの』


黒崎が2つを指差した。





一つは和風な、もう一つは洋風なパスタ。






『で、迷ったんだけど、和風のに決めてさ。
でも美羽が洋風の頼んだら食べられんじゃん♪』




………は?

何だコイツ……(怒)






「おごるとか言って好きなの頼ませてくんないんだ!」


『だって今美羽が選んだの、美羽が好きなのじゃねぇじゃん?』





…………え?







< 84 / 440 >

この作品をシェア

pagetop