恋愛心工事中。
『ご注文が決まりましたらお呼び下さい』
男はメニューと水を置くと、去っていった。
『何食う?』
黒崎がメニューを開いてあたしに聞いた。
『あ、俺おごるから』
…………へ?
…おごるから?
「え!?やめてよ!!」
『遠慮すんなって』
遠慮っていうか…
「悪いし…」
『気にすんなって♪』
~~~っ。
『あ、じゃあ俺パスタにしよ♪美羽は?』
…………。
「い、良いの?」
『勿論♪
好きな女におごんなきゃ男としてダメだろ♪』
……キザ男め。
「……じゃあ、お言葉に甘えて…」
『ぷ♪どうぞ?』
あたしはメニューを眺めた。
どれも美味しそー。
安いのにしなきゃ。
…あたしだってそりゃこんな奴でも気を遣いますよ?
誰だよ、意外に律儀な奴とか言ったの(怒)
「じゃ…これで!」
あたしはパスタの中で一番安いのを指差した。
『美羽さ、コレ頼んでくんねぇ?』
…………。
「………は?」
何ですと?
『俺さ、コレとコレで迷ってたの』
黒崎が2つを指差した。
一つは和風な、もう一つは洋風なパスタ。
『で、迷ったんだけど、和風のに決めてさ。
でも美羽が洋風の頼んだら食べられんじゃん♪』
………は?
何だコイツ……(怒)
「おごるとか言って好きなの頼ませてくんないんだ!」
『だって今美羽が選んだの、美羽が好きなのじゃねぇじゃん?』
…………え?