恋愛心工事中。



だけど、時々、どうしようもなく……


ドキドキしたり、不安になったり、苦しくなったりするの。





壱が表情が百面相なら、あたしは、心臓が百面相だと思う。




暴れたり
縮まるみたいになったり




そんな事が起きるのは…



壱の時だけ。






壱と喋っている時とか、壱が傍にいる時とか。




あたし…どうかしてる?








『美羽って強いよな』




………へ?




壱の言葉で、あたしは考えから抜け出した。






『琉依の事、今まで誰にも話さなかったんだろ?
凄いよ。
辛かっただろ?』






…………っ。






「強くなんかない…」




本当に。






「話せなかった…
友達に言ったら何て言われるのかなって…ビクビクしてた……」




強くなんかない。



あたしは弱い人間。









『でもさ、一人で背負って今まできた訳だろ?
辛くても我慢してこれたじゃん。
美羽は強いよ。』






…………。





嬉しいよ。




あたしは、初めて琉依の事を話したのは壱なんだよ?



あたしの事…優しく聞いてくれて、普通に接してくれて。





本当に良かった。




話して良かった。







相手が壱じゃなかったらこんな事思ってないかもしれない。







『美味かった!
今度美羽の手料理食いたい!』



………犬が尻尾振ってるみたい。






…………あ!





「壱の事、ポチって呼ぼうかな!?」




『…は?』



壱が訳分かんねぇって目であたしを見た。





「壱って犬っぽい!
凄い甘えてくるし!
壱とポチって似てない?
だからポチって呼ぼうかなって思って!」





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