恋愛心工事中。
無い無い!!

今のあたし可笑しかったよ!?




……はぁ。







『んな淋しそうな顔されると帰れねぇんだけど』



っ!?



「さ、淋っ…!?」





あたしがしてた!?






『可愛い♪』





壱が柔らかい笑顔であたしの頭を撫でた。



……っ。






心臓は大きく跳ねる。









『…じゃあ明日、学校でな!』


壱は元気良く言った。









………っ。



……言わなきゃ、ダメ…だよね?



話聞いてもらったし…おごってくれたし…






沢山…優しくしてくれた…もんね?









ドクン…ドクン…





壱が少し離れる。





……っ。






待って…よ。


壱に…言わなきゃ。











「……壱っ…」










あたしはか細い声で、壱を呼びかけ…


壱の制服のYシャツの裾を掴んだ。









『…美羽?』




驚いたような表情で、振り返る壱。






「あのっ…」






弱々しく掴んだ裾を、少し力をこめて握った。
















「あり…がとっ…」










小さな小さな声。



あたしはそっと壱に伝えた。







『………』






聞こえなかった…かな!?









『マジ?』




……へ?







『ありがとって…
俺に?美羽から?』





そう言われると恥ずかしくなるけど、あたしは小さく頷いた。










『…ヤバ』




壱があたしの声より小さな声で呟いた。







…え?
…ヤバ?




あたしが疑問に思い、戸惑っていると…




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