恋愛心工事中。
『……かなり嬉しいんだけど』
壱が笑顔であたしを見て言った。
………えっ…
ドクンッ…
「いや、あの…その~」
あたしはもう遅いのに言い訳(?)をする。
その時………
『美羽』
「っ!?」
壱に腕を引っ張られ、あたしは壱に抱きしめられた。
ドクン…ドクン…
『………美羽』
低い声で囁かれる。
『俺の事は…普通、なんだよな?』
……え?
「う…ん…」
すると、壱はますます強くあたしを抱きしめた。
………っ。
熱い壱の体温。
壱の早い鼓動。
『俺…いつか絶対、美羽の事振り向かせるから』
壱は、少し真剣に、強い口調でそう言った。
「…無理…だからっ」
恥ずかしくて、つい強気な言葉を言った。
『美羽こそ、無理』
「壱こそ無理!」
ドクン…ドクン…
ねぇ…この心臓の早さは異常だよね?
壱のせいだよ?
壱がこんなに、あたしの心臓…暴れさせてる。
どうして………
壱にだけ、こんなにドキドキしちゃうのかな?
すると、壱があたしから体を離した。
それでも、2人の距離は短い。
優しく微笑む壱。
「抱きしめないでよ!
……馬鹿。」
『嬉しかったくせに♪』
~~~っ。
「馬っ鹿じゃないの!?
ああ~、あたしお礼言って損した!」
恥ずかしい恥ずかしい!
『顔赤いよ?』
「赤くなんかないっ!」