恋愛心工事中。
『じゃあな♪』
「さっさと行け!」
あたしは手でシッシッと壱を追い払うような仕草をした。
『…本当は行きたくねぇけど。』
っ!
顔に熱が一気に上がったのが分かった。
『嬉しいの?
照れちゃって♪』
「はぁ!?
馬鹿!ありえない!」
『じゃあ行かない♪』
「行っていい!
じゃあさようなら!」
あたしは鍵をポケットから取り出し、乱暴に玄関のドアを開けた。
『つれねぇな、おい』
「ちょっとは黙るって事しなさいよ!」
あたしは壱を思いっきり睨むと(それでも壱は嬉しそうに笑ったが)、ドアを開けた。
「さようなら!」
あたしは、笑う壱をよそに、家の中へ入った。
バタンッ
「ふぅ…」
ありえない!
あたし可笑しい!
何であんな大嫌いだった奴なんかにドキドキしてんのよ!
しかも、あたし…
告白、されたし。
壱はあたしが好きとか…どうすればいいの!?
って!
どうするもない!
断る!!
あたしはめまぐるしい頭を抱えながら、靴を脱ぎリビングへ入った。
『お帰り~』
お母さんが居た。
「あれ?お父さんは?」
『残業で今日は遅くなるって』
お母さんはソファに座って本を読んでいる。
「そっか。」
あたしがバッグを床に置くと、お母さんはニヤニヤと笑った。
『外食してたんでしょ?
さっき外に居た男の子と食べてた訳?』
…………っは?
「え?はい?」