恋愛心工事中。
水泳部は部員が少ない。
3年がいなくて、あたし達2年が7人、1年が2人の、計9人だ。
あたしは副部長。
水泳大会は毎年恒例で、近くの施設を借りて、たくさんの高校の水泳部が参加する。
自分の得意種目を練習して、1位と最高タイムを目指す。
あたし達水泳部は、この水泳大会に命をかけて練習している。
『水泳大会が近づいてますが…』
河村先生が皆を見渡す。
『新入部員が居ます。』
えっ!?
皆がざわめいた。
勿論、あたしも。
新入部員!?
入ってくれるのは嬉しいけど……
今入って水泳大会出れるのかな!?
皆があたしと同じ事を考えていたんだろう。
そして、顔に出ていたに違いない。
『大丈夫です。
とても上手ですから、頑張れば何とか大会には出られるはずです。』
嘘!?
そんなうまいの!?
あたしは誰なんだろう、と考えていた。
『新入部員は…』
河村先生が手招きした。
皆がゴクンと唾を飲み込んだ。
うまい人か…
誰なんだろう!?
あたしは河村先生が手招きした方を見た……
「っえ!?」
思わず大きな声が出てしまった。
だってだって!
今あたしの目に映る人、それは…………
『2年の石橋京司です!
これからどうぞ宜しくお願いします!』
ジャージを着て、ニカッと笑う………
京司だった。
明るい茶髪がプールの高い天井にある照明に当たって光っている。