何度でも、伝える愛の言葉。

『悟がいつも言ってたんだ、メンバーは皆すげぇ良い奴だって。うるさいくらい自慢してた。』

「悟が?」

『それを聞いてたから、安心して澪を勧められた。』


全ては早坂さんのせいだと思っていた自分が恥ずかしかった。

俺なんかとは比べ物にならないくらい早坂さんは澪を想い、そして理解している。



『それにさ、男子メンバーが4人も居れば心強いだろ。
澪のことを好きになって守ってくれる奴も居るかもしれない。』

「俺は、そんな…。」

『誰も君とは言ってないけど?』

「え、あっ…いや…」


引っかかった…。

俺が澪を好きでいることなんて、もうとっくにバレているだろうけど。



『好きなんだな、澪のこと。』

「はい、好きです。」


それでもはっきりと伝える。



「早坂さんは、今でも澪のこと…」

『もう忘れるよ。その為に昨日澪に会いに行った。』


そして残酷な別れを告げたんだ

好きだという気持ちを押し隠して。



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